トップ株 入門チャートに強くなろう応用編 4 押し目・戻し目ラインの使い方
第20回 応用編 4 押し目・戻し目ラインの使い方
プロの投資家がもっともよく使う買いタイミングの指標は『移動平均線』と『押し目ライン』です。この押し目ラインの活用法について見ていきましょう。
押し目・戻し目とは何か?
『押し目』とは、株価が上昇していく過程で、利益確定売りなどによって一時的に株価が下落したとき「ここまで押せば(下がれば)、下げ止まるだろう」と投資家が考える水準のことです。投資家が『押し目買い』をいれるときには、「下がり始める前の上昇幅に対して下がり始めてからどのくらい下がっているか」を表す『押し目率』を見ることで判断します。
これとは逆に『戻し目』とは、株価が下落していく過程で、もう底だろうと判断した一部の投資家が買うことによって起こる一時的な反発により株価が上昇したとき「ここまで戻れば(上がれば)、上げ止まるだろう」と投資家が考える水準のことです。投資家が『戻り売り』を入れるときには、「上がり始める前の下落幅に対して上がり始めてからどのくらい上がっているか」を表す『戻し目率』を見ることで判断します。
一般的に、下げ止まる可能性が高い押し目は『1/3押し、1/2押し、2/3押し、全値押し』と『0.382押し、0.618押し』の6つです。こういったいわゆる『節目の押し目』は、機関投資家をはじめとした多くの投資家が意識しており、そこで下落が止まって反転上昇することが多くなります。
このように、いくつかある節目の押し目ですが、どの押し目で待ち伏せをすると良いのでしょうか。
投資家に人気があり、上昇を続けている銘柄の場合は、下げ止まって上昇に転じるのが早いので『1/3押し』や『0.382押し』で待ち伏せして良いでしょう。
投資家にそれほど人気があるわけではなく比較的ゆっくりと上昇している銘柄の場合は『1/2押し』まで下がってくるのを待ち伏せする方がリスクが少なくなります。さらに、よりリスクを押えたい場合や上昇の傾向がはっきりしない、あるいは横ばいの動きをしている銘柄の場合は、『2/3押し』や『0.618押し』、さらには『全値押し』まで待つのが良いことになります。
新ケンミレの『押し目ライン』は、チャートを表示している期間の安値から高値までの上昇幅を計算して、節目となる押し目がどの位置になるかを表示するものです。
押し目ラインの表示は『その画面にある安値とその後の高値』から計算されますので、どの押し目を探すにしても、まずは『自分が探したい上昇相場の安値と高値を画面上に表示』するように調整します。
チャートの下部にある2つのスクロールバーの下側のスクロールバーを使って、探したい押し目の上昇相場の始まりがチャートの表示期間の中で安値になるように設定します。この押し目の取り方は押し目ラインを使いこなしていくのにひとつ重要なポイントとなります。
短期波動の押し目と中期波動の押し目
押し目には『短期波動の押し目』と短期波動がいくつか集まって形成される『中期波動の押し目』があります。このとき、短期、中期のどちらの押し目まで待ってから押し目買いをすればいいのかは、個人の投資レベルによって異なってくることになります。
投資の初級者レベルでは、『中期の押し目を待つ』と決めて、中期の押し目になるまで待ちに徹することが大切です。中期の押し目まで待って、中期波動の転換点から短期波動の押し目を最初の1回、あるいは2回目までしか買わないというのがリスクを押さえた投資となります。
これは、短期の押し目が何回あると中期波動の下落に転じるかは誰にも分からないからです。3回目の短期の押し目に見えてもそこから中期波動の下落に転じる銘柄もあれば、6回目の短期の押し目ではじめて中期波動の下落に転じる銘柄もあります。このため、短期波動の押し目の回数を重ねれば重ねるほど、短期の押し目だと思って買っても、その調整が『短期の押し目では下げ止まらない中期の押し目まで株価が下落する』ことになるリスクが高まってきます。
しかし、上級者レベルでは、仮に6回短期の押し目があったとすれば、最後の1回は失敗しても『残りの5回で儲ければ良い』と考えます。ですから全ての押し目を短期の押し目と考えて買い、最後の1回が中期の押し目まで下落すれば、その途中で損ギリをするという投資手法を採ります。
このように短期の押し目をほとんど取りにいきますので、結果、上級者になるほど負けてしまう投資が増えますが、投資回数の多さから年間の積み重ねの利益額は大きくなります。
押し目ラインを使う場合にはこのように自分の投資レベルにあった投資タイミングを把握することがうまく活用できるポイントになってきます。
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