トップ株 入門チャートに強くなろうテクニカル編 11 ポイントアンドフィギュアチャートの使い方
第16回 テクニカル編 11 ポイントアンドフィギュアチャートの使い方
チャート表示方法としての一つでポイントアンドフィギュアというものがあります。時間を横軸に取らず値動きのみを基準としたチャートの見方とその使い方を解説します。
ポイントアンドフィギュアチャートとはどんなチャート?
ポイントアンドフィギュアは見るのに慣れとコツがいる中・上級者向けのチャートになります。まずはどのようなチャートなのか見てみましょう。
ポイント&フィギュアーのチャートを見ると、他のチャートとの違いに戸惑う方もいると思います。
このチャートで×は上昇、○は下落の動きを表しています。
今までのチャート(主にローソク足だと思いますが)は日足で見たときに、営業日一日経過するごとに一つのローソク足がチャートの一番右側に新しくできます。
ところがこのポイントアンドフィギュアは一日たっても、二日たっても一定の値動きがない限り、○と×で表されるこのチャート上に値動きポイント=○、×は記入されません。 ローソク足と違うこのチャートは、微妙な上下の動きが消える為、細かい動きが消えて大きな動きのみを追随しやすくなり、簡単にトレンドの流れを見ることができるという利点があります。
特にシカゴ先物市場(CME)でこのポイントアンドフィギュアを用いた分析手法が、古くから使われていました。 出来高等を一切加味せず、純粋に値動きだけを視覚化して動きを見やすくしているため、簡易化した故の長所短所はあり、賛否両論の激しいチャート表示形態の一つです。
ポイントアンドフィギュアのチャート解説
まず1ポイント(一つの○、×)が何円分の値動きを表すかを決めます。
また、何ポイント逆に値動きが発生すると反転とするかを決めます。 (一般的には、3ポイントに設定されていることが多いです。)
標準でよく使われる1ポイントあたりの参考値 | |
株価 | 1ポイント |
〜10円 | 2.5円 |
100〜200円 | 5円 |
200〜1,000円 | 10円 |
1,000〜5,000円 | 20円 |
5,000〜10,000円 | 100円 |
10,000〜50,000円 | 200円 |
50,000〜100,000円 | 1000円 |
100,000〜500,000円 | 2000円 |
500,000〜1,000,000円 | 10000円 |
1,000,000〜5,000,000円 | 20000円 |
5,000,000〜円 | 100000円 |
つまり、例えば株価が250円という銘柄のチャートでは上の表から見ると10円×3ポイントで30円以上動かないと、新しく○、×がつかないことになります。
反転は1ポイントずらして書き始めますので、実質4ポイント、つまり120円以上逆に動かないとこの場合反転とはみなされません。
ちなみに、株価の値動きを計算する時ですが、1ポイントあたりの単位で割った端数は上げ方向の場合は切り捨て、下げ方向の場合は切り上げというのがよく使われます。
また、売買の際に使われるサインはチャート上で前回の高値を越えてきたら買い、前回の安値を抜けたら売りというのが一般的なサインとなります。
ポイントアンドフィギュアチャートで詳しい売買のサインを見る!
まずはポイントアンドフィギュアチャートの特徴であるトレンドの見方です。 ポイントアンドフィギュアもチャート上にトレンドラインを引き、それによって株価の方向性を推し量ることもできます。
トレンドラインの引き方も、ローソク足とほぼ同じ引き方のシュリッガー方式と、独特のコーエン方式がありますが今回は例です。
コーエン式という安値から45度右上に引いた上昇トレンドラインと、高値から45度右下に引いた独特のトレンドラインを使ってチャートを見てみましょう。
また、チャートのパターンにローソク足では"下ひげ"や"上ひげ"などがありましたが、ポイントアンドフィギュアのチャートでは売買シグナルのパターンとして先ほどご紹介した“前回の高安を抜ける”以外に、ローソク足のパターンのように○と×の組み合わせで何種類か信頼性の高いシグナルも知られています。
それでは最後に先ほどのトレンドラインを引いたチャートに前回の高安を抜けた売買サインを組み合わせてみましょう。このようになります。
うまく中・長期にわたってトレンドを捕らえる事ができていると思います。
このようにポイントアンドフィギュアは大きな動きが発生したときに、トレンドの流れに沿った売買サインが出るので、時間がかかるものの中期で見た場合値幅が大きく取れるのが特徴です。
【上級者向け】ポイントアンドフィギュアチャートで動きそうな値幅を予測する!
ここからはちょっと難しくなりますので、中・上級者向けになってしましますが、ポイントアンドフィギュアは時間軸を取らないチャートなので、"いつ"というところまでは分かりませんが、値動きとしてトレンドがどこまで継続して、この辺りまでは値幅が伸びそうだという目標値を読むことも出来ます。
これを"カウンティング"といいます。
カウンティングについての基本的な図を見てみましょう。
このようにして目標値を計ることもできます。
- ■ポイントアンドフィギュアはややクセがあるが、値動きだけに特化して見やすくしたチャートです。
- ■ポイントアンドフィギュアはトレンドを追うことに長けています。
- ■時間の概念がありませんので時間軸では期間がとりずらいこともあります。
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