トップ株 入門チャートに強くなろう テクニカル編9 ボリュームレシオの使い方
第14回 テクニカル編9 ボリュームレシオの使い方
ボリュームレシオは、出来高に着目して現在の株価が割安か割高かを判定するテクニカル指標の一つです。では、その使い方について解説します。
ボリュームレシオは株価の上昇や下落を出来高を使って指標化したもの
ボリュームレシオのボリュームとは出来高のことを表しています。一般的に「出来高は株価に先行する」といわれますが、このテクニカル指標は出来高に着目し、株価の上げ下げと出来高の関係から、現在の株価水準が買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを判断します。 他のテクニカル指標と同様に、ボリュームレシオも一定の計算式によって計算されます。通常、ボリュームレシオの計算に使われる計算式には何通りかありますが、新ケンミレではもっとも一般的な次の式を使っています。
ボリュームレシオ=(U+S/2)÷(U+D+S)
U=期間内で株価が前日比で上昇した日の出来高合計
D=期間内で株価が前日比で下落した日の出来高合計
S=期間内で株価が前日比で変わらなかった日の出来高合計
つまり、株価が前日比で上昇した日の出来高(前日比で変わらなかった場合は出来高の半分)を期間内ですべて加えたものを、その期間内の出来高の合計で割ったものになります。株価が上がった日の出来高は上昇する力、下がった日は下落する力として両方の引っ張り合いの程度を数値化したものがボリュームレシオです。
株価は上昇するときに出来高を伴うことが多いので、株価が上昇しているときにはボリュームレシオも上がります。逆に計算期間における上昇日が少なかったときにはボリュームレシオは下がります。ボリュームレシオが上昇してくると「上昇した日の出来高」が「下落した日の出来高」より増えているわけですから、過熱感が出ていると判断できます。反対にボリュームレシオが下降してくると「下落した日の出来高」が「上昇した日の出来高」を上回っているわけですから、「売られ過ぎ」と判断できるわけです。
ボリュームレシオの使い方
他のテクニカル指標と同様に、このボリュームレシオも銘柄ごとに過去の上昇、下落に転換するタイミングの数値を見つけて参考に使うとよいでしょう。成長力や注目度は銘柄ごとに異なるため、株価が反転するタイミングも銘柄ごとに異なることになります。株価の山と谷が、この指標の山と谷に合うように日数を合わせるとより勝率の高い使い方が出来ます。
※新ケンミレの会員専用チャートでは、日足ベースでチャートの設定日数がその銘柄の値動きとあうように設定されているので、売買タイミングが取りやすくなっています。
ただし、ボリュームレシオは、普段から出来高が少ない銘柄が、「たまたま材料が出て出来高が急増した」というような場合には、不向きな指標です。普段から出来高が十分にあり、安定した動きを示す『大型株向きの指標』といえます。また、たった一円でも前日比で上昇して終わった日があった場合、その日の出来高は全部上昇日の出来高に加算されてしまうといった不合理な点もありますので、過信は禁物です。
このボリュームレシオと株価変動のトレンドとの関係を考えてみると、下落相場のものは、ボリュームレシオが売られ過ぎの状態になってもそこからあまり上がらず、下がったままになってしまう、いわゆるダマシとなってしまうものも少なくありません。また、逆に上昇相場にあり、どんどん株価が上がり続けている場合には、ボリュームレシオは高いところに位置しているため、なかなか低い水準まで下がってこないことになります。
しかし、比較的ゆっくりとした上昇、下落相場や横ばい相場では、使いやすい指標になります。
テクニカル指標を株式投資の武器として使うためには、このように、現在の相場がどういった相場環境にあるのかを併せて考えていきましょう。
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