トップ株 入門チャートに強くなろう第4回 基礎編 4 ダブル底(天井)と三尊底(天井)とは?

第4回 基礎編 4 ダブル底(天井)と三尊底(天井)とは?

株式のトレンド転換を判断するパターンはいくつかありますが、チャートの形から判断する時の代表的な見方である「ダブル底(天井)」と「三尊底(天井)」について解説いたします。

ダブル底、ダブル天井はトレンド転換のサイン

ダブル底とは、株価が大きく下落した後にいったん上昇し、前回下落した安値近くまで再度下落してから上昇に転じたチャートの形のことです。英語の「W」の形のようなチャートパターンとなります。

このチャートパターンをとりますと、株価は底を打って上昇トレンドに入る可能性が高いといわれています。 これは、株式市場が大きく下落してから上昇に転じ、再び下落した時に前回の安値を割れなければ「下値は堅い」「これ以上は下がらない」といったコンセンサスが投資家の間にできるためです。

■以下のチャートをご覧ください

チャート

このように、株価が大きく下落した後に反発上昇し、前回下落した安値を割れずに再び上昇した場合に上昇トレンドに転換していることがわかります。

ここで、再度株価トレンドについて確認しておきます。

上昇トレンドとは、「上昇した後の調整が終わって再び上昇に転じた時に、『前回の上昇でつけた高値を更新して上昇』する相場のこと」となります。また、下降トレンドとは、「前回の下降時につけた安値を更新して、更に下降する相場」となります。

ダブル底をつけるチャートパターンは、下降トレンドの定義である「前回の下降時につけた安値を更新して、更に下降する相場」であることを否定して、「前回の安値を更新しなかった」ことになりますので、下降トレンドが終わったと投資家に認識される可能性が高くなります。

一方、前述の上昇トレンドの定義に「前回の上昇でつけた高値を更新して上昇」することがあります。このことを確認できますと、上昇トレンドになったと投資家の心理が強気に転換する可能性が高くなります。

■このことを踏まえた上で再度同じチャートをご覧ください

チャート

このように、「ダブル底」のチャートパターンは『下降トレンドの否認』と『上昇トレンドの認識』という両方の定義を満たすことで確実性がより高まります。

つまり、「前回の下降時につけた安値を更新」せずに「前回の上昇でつけた高値を更新」した時点で「ダブル底」完成となるわけです。「ダブル底」はトレンドが転換する可能性が大きい重要なチャートパターンといえます。

一方の「ダブル天井」は、「ダブル底」の全く反対の投資家心理が起きたときに起こるチャートパターンです。

株価が大きく上昇し、その後の調整で下落した後、再度上昇に転じて前回つけた高値を超えなかったことで、「株価はこれ以上上がらない」というコンセンサスが投資家の間に生まれます。このため「ダブル天井」の場合は、株価がそこから下落に転じる可能性が高くなります。

つまり、「前回の上昇でつけた高値を更新」できなかったことで「上昇トレンド」を疑う投資家が増え、「前回の下落時につけた安値を更新」することで「下降トレンド」に転換したと判断されることとなります。

■下降トレンドの例

下降トレンドの例

週足の方が信頼度が高くなり、日足の場合には「だまし」が多くなりますので、注意が必要です。

三尊底、三尊天井はさらに高確率のトレンド転換点に

「ダブル底」「ダブル天井」よりさらに高確率でトレンド転換の可能性が高まるチャートパターンに、「三尊底」「三尊天井」があります。

「三尊天井」は3つの山が出来て、「真ん中の山が一番高い山」という形となります。「三尊天井」は、真ん中の大きな釈迦の左右に菩薩が配置された三尊像に似ていることから名付けられたといわれています。また、欧米では両脇の山が肩、真ん中の山が頭というように見えるので、英語名で「ヘッドアンドショルダーズトップ」と呼ばれます。

「三尊底」は「三尊天井」の反対で、3つの谷が出来て「真ん中の谷が一番深い形」となりますので、「逆三尊」と呼ばれることもあります。

これらのチャートパターンはめったに出ない形ですので、出たときは高確率で株価のトレンドが転換します。

■まず、「三尊底」のチャートをご覧ください

「三尊底」のチャート

「三尊底」は3つの谷をいっしょに考えるとわからなくなりますので、まず最初の2つの谷を見ます。これは、株式市場を取り巻く環境が悪化して大きく下落し、下落が止まって一旦上昇しても、長く続かず再び下落に転じて前回の安値を割り込んでいる形です。

つまり、この時点では前回安値で止まらず、「ダブル底」にはならなかったこととなります。したがって下落トレンドも続いているという認識となります。ただ、下落トレンドが続いてはいるものの、一旦は戻ったことで底値と認識した投資家もいて、需給が買いに傾きかけたことがわかります。

つぎに、3つめの谷は2つの谷の後に上昇して、再び下落した時に前回の安値を下回れば新たな下落トレンド入りとなりますが、前々回の安値近辺で下げ止まることで底打ちと見る投資家がやはり多かったとの認識が広がります。

つまり、一旦は押し目買いが優勢となったものの確信が持てず気迷いがちとなった投資家心理が、再び下げ止まることで確信につながっていく投資家の心理を表しているチャートパターンとなるわけです。

需給関係でも3回の谷が出来ることで「これ以上は売られない」というコンセンサスが投資家の間に生まれますので、大幅調整をして上昇トレンドに転換する可能性が非常に高く絶好の買い場といえます。

「三尊天井」は「三尊底」の反対のパターンで、高い確率で上昇トレンドが転換することとなります。

■詳しくは以下のチャートをご覧ください

チャート

【ポイント】
  • ■ダブル底は前回の谷の近辺で下げ止まって完成し、前回の高値を超えることで上昇トレンドに転換したと判断される。
  • ■三尊底はなかなか出ないが出たら高確率で上昇トレンドに転換する。

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