トップ株式投資で知っておいた方が良いこと株式投資で知っておいた方が良いこと「第26回 一般的な抵抗ラインと一緒に株価の転換点を予測する方法(後編)」

株式投資で知っておいた方が良いこと

第26回 一般的な抵抗ラインと一緒に株価の転換点を予測する方法(後編)

今回で≪E:さまざまな抵抗ラインと一緒にチェックして、株価の転換点を予測する≫の最終回にしたいので、いつもよりやや長くなります。ただし、チャートの実例を中心にしていますので、一気に読んで頂けると思います。

『バリューライン』の実践的な活用法について

A:誰にも分からない将来のシナリオを作るときに活用にする
B:負けないために「アンダーバリューゾーン」のときだけ買う=「オーバーバリューゾーン」では買わない、というルールを作っている
C:自分が許容できる「リスクの度合い」で、判断する『バリューライン』を決める
D: 『波動ライン』と一緒にチェックして、株価の転換点を予測する
E: さまざまな抵抗ラインと一緒にチェックして、株価の転換点を予測する
F: ラインが割れたり抜けた場合は、トレンドが「転換した可能性」を意識する
G: バリューラインの角度でトレンドの強弱を判断する

≪E: さまざまな抵抗ラインと一緒にチェックして、株価の転換点を予測する≫

◎一般的にもよく使われている抵抗ライン

・一目均衡表
・価格帯別出来高
・移動平均線、もしくは移動平均かい離率
・押し目ライン、もしくは押し目率/戻し目ライン、もしくは戻し目率
・RCIやストキャスティクスなどのさまざまなテクニカル指標

(4−1)『バリューライン』と『押し目ライン』

『押し目ライン』『戻し目ライン』は昔からよく使われている抵抗ラインの一種です。『押し目ライン』は下値抵抗ラインとして活用しますが、詳しい解説は「株式投資で知っておいた方が良いこと/買い値を決める編(仮称)」で解説する予定ですので、まずは実例を目で見て頂きたいと思います。このとき、「自分だったらこのように考える」というように、実際の相場と向き合っているつもりで見てください。

■ケーススタディ:TOPIX

下のチャートはある時期のTOPIXの動きを表したものですが、このチャートに『大きなバリューライン』を引きますと次のようになります。

『フェアバリュー』に到達したTOPIX

ここで知りたいことは、TOPIXが上昇から下落に転換したときに"どこで下げ止まるか?"という下値抵抗ラインです。もしも『バリューライン』だけで判断すれば、TOPIXは『フェアバリューで下げ止まってもおかしくない』という見方ができると思いますが、実際にその後のTOPIXの動きを追いかけますと…

『フェアバリュー』を割り込んだTOPIX

…このように、TOPIXは本来であれば下げ止まってもおかしくない『フェアバリュー』を割り込んでいます。しかし、もしも『バリューライン』だけで判断するのではなく『押し目ライン』と一緒にチェックする方法を知っていれば、転換点は『フェアバリューではなく1445P前後』と予測することができていたかもしれません。

予測できていたかもしれない1445Pの転換点
予測できていたかもしれない1445Pの転換点

これまでに解説してきた抵抗ラインと同様に、『押し目ライン』も『バリューライン』と一緒にチェックすれば転換点の精度をさらにアップすることができます。ちなみにこのチャートに新ケンミレが独自に開発した『KM抵抗ライン』を表示してみますと…

『押し目ライン』と『KM抵抗ライン』

…ほぼ『押し目ライン』とぴったりと重なっていることが分かります。つまり抵抗ラインのチェックとは、2種類よりも3種類というように「違う種類の抵抗ラインが同じ株価水準に重なっているほど下げ止まる(=または上げ止まる)可能性が強くなる」という判断ができます。

言い換えますと、「複数の抵抗ラインが重なる株価水準が見つからない」場合は「強い抵抗ラインがないので、買いを見送ろう」と判断する癖を付ければ、安易に転換点を予測して失敗する確率を減らすことができるということになります。

(4−2)『バリューライン』と『戻し目ライン』

『戻し目ライン』は、『押し目ライン』が下値抵抗ラインとして活用するのに対して、上値抵抗ラインとして活用するものです。したがって、『オーバーバリューゾーン』で株価が上げ止まる確率が高い株価水準をチェックするときに活用します。

先ほどと同様にチャートの実例で解説しますので、「自分だったらこのように考える」というように、実際の相場と向き合っているつもりで見てください。

■ケーススタディ:富山化学

下のチャートはある時期の富山化学の株価を表したものですが、このチャートに『大きなバリューライン』を引きますと次のようになります。

『大きなバリューライン』で見た富山化学

『大きなバリューライン』で見れば買ったタイミングは『オーバーバリューゾーン』となりますが、このとき私は少し違った『もう少し小さなバリューライン』で投資タイミングを見ていました。

『もう少し小さなバリューライン』で見た富山化学

どちらの『バリューライン』で投資タイミングを判断するのが正しいとか間違っているということではなく、以前にも解説しましたが"リスクを取りたくない投資家は大きなバリューライン""リスクを取れる投資家は小さなバリューライン"で判断すれば良い、ということになります。

そして私はこの『少し小さなバリューライン』で買いタイミングを判断した結果、セオリー通りに『オーバーバリュー』まで株価が上昇しましたので、7.5%の利益で売却しました。

セオリー通りに『オーバーバリュー』で売ったタイミング

私の場合、一度で大きな利益を狙うよりも「小さな利益を確実に取って、その回数を増やすことで年間目標利益を実現する方法」で売却していますので、どうしても『オーバーバリューで一度利益を確定しておこう』として早く売ってしまう傾向があります。

しかし「できるだけリスクを取りたくない投資家」で、株価が大きく下がった割安タイミング=年間で2回前後の『中期波動の下落ライン』が引かれたタイミングを買いタイミングにする投資家の場合、このように短期で売却すると「買いタイミングを長く待った甲斐がない」ということになってしまいます。

このようなとき、『下値抵抗ラインの押し目ライン』とは反対の『上値抵抗ラインの戻し目ライン』を知っていれば、ある程度の"売りタイミングのシナリオ"を自分なりに描くことができるようになると思います。

『戻し目ライン』で見た売りタイミングのめど
『戻し目ライン』で見た売りタイミングのめど
『戻し目ライン』で見た売りタイミングのめど
『戻し目ライン』で見た売りタイミングのめど

このように、中期波動の下落ラインで大きく下がった割安タイミングの後の反発では、下落トレンドから上昇トレンドに転換して「ある程度の大きな上昇率になる」可能性があります。言い換えますと、私の売りタイミングは"ちょうど上昇トレンドへの転換点"だったため、一番もったいないタイミングで売ったことになりますが、このような『戻し目ライン』を知っていれば、事前に想定シナリオを作って"精神的なゆとり"を持って対処することができると思います。

◇まとめ

第23回から第25回まで、『バリューライン』と一緒に『一般的な抵抗ライン』を活用して転換点を予測する方法について解説してきました。抵抗ラインにはこの他にも『RCI』や『ストキャスティクス』や『移動平均かい離率』などのテクニカル指標や、新ケンミレ独自の『波動ライン』『KMライン』『KM抵抗ライン』がありますが、これらを活用したチェック方法はすでに何回も解説してきましたので省略します。

ポイントをまとめますと、自分で割安なタイミングや割高なタイミング=相場が転換する可能性が高いタイミングのシナリオを想定するときは、『バリューライン+その他の抵抗ライン』でチェックすれば転換点の精度はよりアップする、ということです。

次回は≪F: ラインが割れたり抜けた場合は、トレンドが「転換した可能性」を意識する≫について解説します。

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