トップ株 入門チャートに強くなろうテクニカル編 6 ストキャスティクスの使い方
第11回 テクニカル編 6 ストキャスティクスの使い方
今回は「ストキャスティクス」について解説します。「ストキャスティクス」は現在の株価が割安か割高かを判断するときに使われる代表的なテクニカル指標のひとつです。では、その使い方について解説いたします。
「ストキャスティクス」とは?
「ストキャスティクス」とは米国のジョージ・レイン氏によって考案されたオシレーター系のテクニカル指標です。下落相場では終値が安値近辺で取引が終わり、上昇相場では終値が高値近辺で取引が終わる傾向があるという前提のもと開発されました。
ストキャスティクスとは株価の「買われ過ぎ」、「売られ過ぎ」を判断するための指標で、先行するライン%Kと遅行するライン%Dという動きが異なる二本のラインの『水準』や『クロスの仕方』を読み取ることで売買ポイントを見つけ出すものになります。
「ストキャスティクス」の活用方法
新ケンミレのストキャスティクスでは、%Dを中心に見て「0%に近づくほど売られ過ぎ」、「100%に近づくほど買われ過ぎ」といった形で活用していただけます。また、30%以下にラインがある状態を売られ過ぎ、70%以上にラインがある場合を買われ過ぎの水準と判断して、さらにその、"売られすぎ""買われすぎ"のゾーンの中で%Kと%Dという二本のラインの"交差"を売買ポイントとしています。イメージとしては移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスに似ています。
では、具体的に「ストキャスティクス」を表示させたチャートを見てみましょう!
■実際のチャート
慣れないことで「2つのラインだと見にくい」という方ならば%Dのラインだけを利用しても結構ですし、より判断を細かく見ることで深めてタイミングを正確に計りたいという方は2本のラインを利用してください。
上の図でご覧頂いたように「ストキャスティクス」が売買タイミングの判断基準の1つとして有効に機能している銘柄も数多くありますので、ぜひ探してみてください。
ただしこの数字はあくまでも過去の経験則に基づいたものですので、しっかりとチャートのチェックを行い、銘柄ごとの割安や割高な数値をみつけて、売買の参考データの一つとして使うべきでしょう。
【上級者向け】ストキャスティクスの計算方法
%K = (当日終値 − 過去n日間の最安値) / (過去n日間の最高値 − 過去n日間の最安値) × 100
%D = Σ(当日終値 − 過去n日間の最安値) / Σ(過去n日間の最高値 − 過去n日間の最安値) × 100(Σは新ケンミレでは過去3日間の合計としています)
■具体的な計算方法はこちらをご覧下さい。
例えば、下記の例にあるように株価が推移したとしましょう。

※4月5日に%Kを計算する場合以下の通り計算します
●%Kの算出方法は
%K = (当日終値 − 過去n日間の最安値) / (過去n日間の最高値 − 過去n日間の最安値) × 100 です。
5日目時点で計算をすると・・・
%K=(10800−10000)÷(10800−10000)}×100=100%
8日目ではどうなるか
%K={(10400−10400)÷(10900−10400)}×100=0%
●%Dの算出方法(なお、新ケンミレでは%Dは過去3日間で計算しております。)
%D = Σ(当日終値 − 過去n日間の最安値) / Σ(過去n日間の最高値 − 過去n日間の最安値) × 100(Σは新ケンミレでは過去3日間の合計としています)
7日目時点で計算をすると・・・
%D=【{(10800−10000)+(10900−10100)+(10500−10100)}÷{(10800−10000)+(10900−10100)+(10900−10100)}】×100=83.3%
8日目ではどうなるか
%D=【{(10900−10100)+(10500−10100)+(10400−10400)}÷{(10900−10100)+(10900−10100)+(10900−10400)}】×100=57.1%
以上のようになります。詳しい計算方法をご理解いただく必要はありませんので、考え方だけご理解いただければと思います。
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