ケンミレ進化論

第2節『割安株投資』の提唱と『割安株探しソフト』の開発

第2節『割安株投資』の提唱と『割安株探しソフト』の開発

2000年に大手インターネット証券の社長から「投資家の寿命を3年に延ばしたい」と言われました。ほとんどの個人投資家は、ラッキーで勝てることはあっても、負けるときには大負けし、1年くらいで投資資金を失って株式市場から去って行くという厳しい実態でした。 この理由は投資手法にあります。

一般的に世界中で使われていた『割安』とは、アナリストレポートでよくあるように「株価は既に大きく上がっているが、将来の成長性を考えれば株価はもっと上昇しても良いので、今は割安」というものです。

これはグロース投資で言うところの割安で、不確定な未来に対して今が割安と判断する方法です。この方法は、売買回数が多くなり、いかにも株式投資をしているという雰囲気を味わえます。しかし、ソフトバンクが「まだ割安」と言われ続けてIT バブル崩壊の時に大暴落したように、負ける時には大損をして、個人投資家の多くが破綻する典型的な原因となっていました。

これに対して、既に確定した過去に対して今を割安かどうかを判断するのがバリュー投資です。バリュー投資は、株価が大きく下がったときに割安と判断されるため、買った後にさらに下がることが少ないのでリスクが低い方法です。しかし、バリュー投資の割安にも欠点があります。大きく下がったときにしか買えないので売買タイミングが少ないこと。また、下がり続けている悪い銘柄も割安だと錯覚してしまうことです。

本当の『割安とは?』を探して

株式投資をギャンブルではなく、安定的に利益を積み上げる財産を構築するための方法にするには、バリュー投資の欠点を補う、新しい割安の定義が必要でした。

ケンミレが定義した割安株とは、同じ買うなら大きく上昇する可能性が高い銘柄を選ぶ、下がり続けている悪い銘柄をできるだけ排除するという、株式投資ソフトの開発の基本になる考え方です。

過去に大きく上昇している銘柄

過去に大きく上昇した実績がある銘柄は、大きく上昇する材料を持っている銘柄であり、次の上昇相場でも大きく上がる可能性が有ります。バリュー投資とは、このように「過去に大きく上昇していた銘柄が、大きく下がった時にだけ買う」という投資方法です。そして、このバリュー投資の精度を最大まで高めた投資方法が「転換点投資」になります。個人投資家には、転換点投資が一番良いのですが、転換点投資は「1年のうちで、買うのは数回」ですから、我慢の投資」であり、それが出来る人だけの投資方法でもあります。

大きく下がっている銘柄

どれだけ過去の上昇率が高い実績がある銘柄でも、株価水準が高値圏で買っては『高値つかみ』となってしまいます。株価は『下がれば上がり、上がれば下がります』ので、既に大きく下がっている銘柄は見方を変えれば『もうこれ以上大きく下がる余地が少ない銘柄』と言えます。

そろそろ下げ止まりそうな株価水準に近づいている銘柄

既に大きく下がっているように見えても、買った後から株価が下がらないとは限りません。もちろん、底値を当てることは不可能ですが、それでもできるだけ安値圏で買わなければ、底値を付けてから反発したときの上昇率が大きく小さくなります。つまり、『手取りの利益率が小さく』なってしまいます。したがって、さまざまな下値抵抗ラインでチェックして、強い下値抵抗ラインが確認できる銘柄に投資した方が良いということになります。

この3つの条件を満たす銘柄を探す『割安株投資』です。財産構築としての株式投資で最も大切なこと、『まず負けないこと』「次に勝つ確率が高い時にだけ投資すること』これを実践できれば株式投資で勝つ確率は格段に上がります。

しかし、自分で割安株を探すことは一般の個人投資家には難しいので、割安株をスクリーニングする割安株探しのソフトを開発し、有料サービスを開始しました。

ソフト開発におけるこだわり

ソフト開発におけるこだわり

第1号は『最適指標銘柄探し』ソフトですが、一般的なテクニカル分析の方法を使ったのでは、みんなと同じだから勝てないと考え、ケンミレは独自の手法を研究し始めました。RSIの13日が20%以下になったら割安という一般的に知られている数値は、みんなが使いますので、ほとんど当たりません。その数値のグラフと株価チャートを個別銘柄ごとに見比べてみると簡単に分かります。割安つまり、株価が反転する目安となる数値は実際には銘柄によって「10日の15%」とか「18日の8%」など様々です。ならば個別銘柄ごとに過去をシミュレーションして最も勝率の高い数値を計算すればよいとの考えから開発したのが『最適指標銘柄探し』ソフトです。

『最適指標銘柄探し』はテクニカル指標を使ったソフトですが、割安な市場やテーマを先に探しその中から割安株を絞り込む『ハイパー・インデックス』『割安市場銘柄探し』など、違う視点から割安株を探すソフトを次々と開発し、当時は8つのソフトを提供していました。

株は持っていることがリスク

『割安株投資』を成功させるもうひとつの考え方が、保有日数はできるだけ短くするということです。

株は持っていること自体がリスクです。どんなに良い会社でも、突然、不祥事が発覚して株価が暴落したり、挙句には上場廃止になる事も有ります。また、その銘柄自体には悪いことが何もなくても、株式市場全体や景気悪化つられて下落するということはよくあることです。

買った株の株価が上がってくると、「もう少し上がったら売ろう」「あともうちょっと」と欲が膨らんでなかなか売れない、という経験をした方は多いでしょう。でも売れなければ、評価益は絵に描いた餅と同じで、そのうちに株価が下がり始めると利益が少なくなるだけでなく、マイナスになってしまうこともよくあることです。

株式投資は、買った銘柄を売って初めて利益が確定します。予め決めた目標利益率に達したら、欲を捨ててさっさと売り、売ったお金で次のチャンスにまた割安株を探して、着実に利益を積み上げることです。

株は持っていることがリスク

提唱し始めた頃は『割安株投資』という考え方は世の中になかったので、投資家に理解してもらうまでに時間が掛かりましたが、10年が経つ頃には、「株は長期保有するもの」と言っていた専門家までが「割安株に投資して目標株価まで上がったら1日しか経っていなくても売ればよい」と言い始め、雑誌でも当たり前に『割安株投資』という言葉が使われ始めたことで、ケンミレの第一ステージは終わりました。

そして、『割安株投資』が一般化したことで、やっと個人投資家の投資方法が変わり始めました。

▲ 上に戻る