トップ株式投資で知っておいた方が良いこと「第3回 個人投資家の最大の武器」

株式投資で知っておいた方が良いこと

第3回 個人投資家の最大の武器

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(1)個人投資家 VS プロの投資家

昔、私がまだ駆け出しの証券マンだった頃は、今のようなネット証券はありませんでしたので個人投資家が株式投資を行うには証券会社に口座を開くと必ず担当の証券マンが付きました。そして証券会社は手数料を生業とするビジネスですから、"できる証券マン"と"できない証券マン"の違いはどれだけの手数料を上げるかで決まっていました。

そして前場と後場の取引中、証券マンは自分が担当するお客様にひっきりなしに電話をかけ、場況を伝えながら課せられた一日の手数料のノルマを達成するための売買注文を取るということを行っていました。

今はもうこのようなことはないと思いますが、当時は一人一人の証券マンの一日の手数料の「30分刻みのノルマ」がホワイトボードに書かれていて、分単位で目標の進捗状況について支店長から"叱咤激励"が飛び、手数料を達成した営業マンから"やっと椅子に座れる"という毎日でした。

このときの今でも鮮烈の覚えている支店長の"叱咤激励"の言葉があります。

…株式投資には「買う」か「売る」しかないんだ。だから早く買え、今すぐ買え。買わないでもし(株価が)上がってしまったら、お前どうやってお客様に責任を取るんだ?

ここに株式投資で失敗しないための大事な教訓があります。それは「いつでも買う」ということは、占いと同じで結果は『当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦(はっけ)』ということです。

なぜなら、株価は「上がれば下がり、下がれば上がる」の繰り返しですから、株式投資で失敗しないためには「下がったときしか買わない」とすれば良いはずですが、いつでも買うということは「上がったところでも買い続ける」というまったく反対のことになるからです。

個人投資家の中には「常に売買して効率良く勝ちたい」と思い、プロのディーラーや上級者のデイトレーダーが行うような上がった銘柄でも買おうとする人がいますが、彼らが上昇中の銘柄を買っても勝つことができるのは「勝つための知識と技術と環境を持っている」からです。

特に銀行や保険会社や証券会社などのディーラーの場合、毎日売買しなければ「投資資金を有効に運用することができない無能なディーラー」と評価されてしまいますので、株価が高いときでも「積極的に買わざるを得ない」という特殊な事情もあります。

しかし個人投資家は彼らプロの投資家とは知識も技術も環境も違いますし、ましてや「株価が高いときでも買わなければいけない理由」はよほど株好きな人以外にはないはずです。グッドイシューが「株が好きな人ほど敗者」といっているのは、このような理由があるからです。

(2)「株式市場の動きに自分の動きを合わせる」とは

つまり毎日「買う」のではなく、株価が大きく下がるまで『待つことができる』ということが、個人投資家が持っている最大の武器なのです。

それにもかかわらず、株価が上がっていても常に買うということは「ひょっとしたらもっと上がるかもしれない」という自分に都合の良い発想であり、その人の欲でしかありません。したがって、グッドイシューでは敗者とならないために自分の都合ではなく『株式市場の動きに自分の動きを合わせよう』といっています。

私も何度も経験がありますが、特に上昇相場が続くと「買っては売り、売った資金ですぐ次の銘柄を買っても、また上がって売れる」のでだんだんと気持ちが大きくなり、「せっかくだから大きな利益を取りたい」と思って"後の取引になればなるほど投資資金の多くをつぎ込む"ようになります。

ところが株価は「上がれば下がり、下がれば上がる」の繰り返しですから、上昇相場もいつかは必ず終わって下降相場に転換します。さらに上昇相場の「後の取引になればなるほど株価水準は高値圏」となりますので、下降相場に転換しますとそれまで大きく上昇した分、下げ方も大きくなりますから「コツコツ積み上げてきた利益を一回の失敗で吹き飛ばす」ということになります。

このような失敗をしないための一番簡単な方法は、前回お話したように「日経平均やTOPIXなどの株式市場が大きく下がっているときしか投資しない」というルールを作ることであり、そのための武器としてグッドイシューでは『波動ライン』というソフトを提供しています。

しかし、株式市場が「大きく下がっているとき」とソフトが教えてくれたとしても、そのタイミングでできるだけ投資資金の多くをつぎ込んで買うことができなければ、せっかく待ち続けたチャンスが来ても「少ない儲け」で終わってしまいます。

つまり『株式市場の動きに自分の動きを合わせる』ということは、一つは「株式市場が大きく下がったときしか買わない」というルールを作り、もう一つは株式市場が大きく下がったときに「株式組入れ比率を高くする」、反対に大きく上がったときは「株式組入れ比率を低くする」ということです。

もしも皆さんが自分自身の株式組入れ比率を振り返ってみたときに、株式市場が上がったときに株式組入れ比率が100%近くになっていれば「その投資戦術は間違っている」ということになります。

以前、私は自分の投資資金を「株式を買っている金額」と「残っている現金の額」に分け、売買するたびにエクセルに記入して「資産の増減」と「株式組入れ比率と現金比率」を自動計算するようにしていました。そして、日経平均やTOPIXの動きをチャートでチェックしながら「株価が下がってくればいずれ上がる可能性が高くなるので、株式組入れ比率を上げて現金比率を下げよう」、反対に「株価が上昇すればいずれ下がる可能性が高くなるので、株式組入れ比率を下げて現金比率を上げよう」というようにしていました。

最初にエクセルに計算式を作るまではとても面倒な作業ですが、この面倒な作業をして初めて「自分に都合の良い発想や欲」をコントロールすることができます。

しかし自分でエクセルに計算式を作って数字を入力し続けることは「手段」であって「目的」ではありませんので、グッドイシューでは、作ったエクセル表を分析し、分析した結果に基づいてこれからの投資行動を決定するという「目的」を果たすための『売買履歴』というソフトを開発しました。

株価が大きく下がるときとは「勝つ確率が高いとき」です。勝つ確率が高いときだけ投資すればおのずと「負ける確率は低く」なりますので、個人投資家が持っている「大きく下がるまで待つ」という最大の武器を活用しない手はないと思います。

株式投資で知っておいた方が良いこと - 目次

第1回 はじめに
インターネットの出現と手数料の自由化により、株式投資が昔のように株が好きでたまらない人や高額納税者だけの「特別なもの」から、個人投資家の財産構築の手段の一つとして「当たり前のもの」となってきました。
第2回 負けなければ「勝ち」しか残らない
本屋さんに足を運べば「株式投資で儲ける必勝戦術」や「デイトレで1億円稼ぐ方法」など、株式投資の経験がない人でも"自分にも簡単にできるかも"と錯覚してしまうような書籍が氾濫しています。
第3回 個人投資家の最大の武器
昔、私がまだ駆け出しの証券マンだった頃は、今のようなネット証券はありませんでしたので個人投資家が株式投資を行うには証券会社に口座を開くと必ず担当の証券マンが付きました。そして証券会社は手数料を生業とするビジネスですから、"できる証券マン"と"できない証券マン"の違いはどれだけの手数料を上げるかで決まっていました。
第4回 株価が「大きく下がったとき」を判断する方法(1)
株式投資で勝つために知っていた方が良いことについてレポートしていますが、前回までのポイントを簡単に整理しますと次のようになります。
第5回 株価が「大きく下がったとき」を判断する方法(2)
前回は、波動ラインの『過去の上昇率や下落率に着目』して大きく下がったタイミングを判断する方法をお話しましたが、波動ラインは他にも『過去の上昇日数や下落日数に着目』してチェックすることができます。
第6回 波動が分かれば「後の祭り」になる確率は減らせる
株式投資とは「探す」「買う」「売る」「休む」の繰り返しですが、最後の「休む」の時間の使い方と判断によって、残りの「探す」「買う」「売る」の成否のほぼ90%が決まってしまうといっても過言ではありません。
第7回 押し目か、調整を待ってチャンスとするか
株式投資をしていると、「もっと上がるかもしれない」と思っていた矢先に下がってしまって売り損ねたり、反対に「まだまだ下がるかもしれない」と待っていたら上昇して買えなかったという経験は誰でもあると思います。
第8回 短期波動と中期波動のメリットとデメリット(実践編)
株式投資では、よく「木を見ないで森を見ろ」ということが言われます。これは一つ一つの個別銘柄の動きだけを見ていると、周りの動きが見えなくなって正しい判断ができなくなるので「まずは株式市場全体の大きな動きを見てから個別銘柄などの小さな動きをチェックするようにしよう」という意味で、主に買いたい銘柄を探すときに使われる格言の一つです。
第9回 中期波動で投資タイミングを捉えるときのポイント
株式投資の「探す」「買う」「売る」「休む」の中の、「休む」の部分でこれまで8回を費やしてきましたが、その中でも大部分が『波動ライン』の解説に紙面を割いてきました。それくらいに"チャートを波動で見ることは重要"ということになりますので、もう少し波動ラインの解説を続けたいと思います。
第10回 中期波動でも売買回数を増やす方法(1)
結論から言いますと、年間で2回前後しかない中期波動の投資タイミングで売買回数を増やすには2つの方法があります。1つは、株式市場が大きく下がったときだけに限定して「1回の投資タイミング=買いチャンスにできるだけ多くの銘柄を売買する方法」で、もっとも安全性が高い方法です。もう1つは、少し安全性は低くなりますが「市場の数を増やして投資タイミングそのものを増やす方法」です。
第11回 中期波動でも売買回数を増やす方法(2−1)
前回は、一番安全な投資タイミングは「日経平均やTOPIXなどに中期波動が引かれたとき」というお話をしました。なぜ、一番安全な投資タイミングなのかといいますと、それは日経平均やTOPIXとは『株式市場全体の動きを表わす大きな市場』だからです。
第12回 中期波動でも売買回数を増やす方法(2−2)
今回で『波動ライン』については一区切りして、次はいよいよ『バリューライン』についての解説に移りたいと考えていますが、この2つの武器は「チャートに自分でラインを描いて分析する」ことができますので、ぜひマスターして頂きたいと思います。
第13回 買う前にチェックすることの第二弾『バリューライン』
私は人よりも株式投資の失敗経験が多い分、割安株投資の本質を知れば知るほど「目からウロコ」の衝撃を脳から背中に電流が駆け巡るようにたくさん受けてきました。この「目からウロコ」こそが株式投資で負けないことのエッセンスであり、またこの≪株式投資で知っておいてほしいこと≫でお伝えしたいことでもあります。
第14回 「当たり前のこと」を「当たり前に行う」ために
『バリューライン』以外にも、株価チャートのローソク足に「いろいろなライン(線)を引いて分析する方法」はたくさんあります。そうした中で、どうして私にとってこの『バリューライン』が目からウロコだったかといいますと、それまでも知識としては知っていましたが「実際に自分の投資で使って勝てる(※正しくは「負ける確率を減らすことができる」)」と確信したからです。
第15回 プラスαで知っていると「さらに損しない」こと
まだ『バリューライン』のラインの具体的な説明はしていませんが、それでもこれまで2回のレポートを読んだ方の中には"何となく分かったような気分"になっているのではないかと思います。しかし、私はそれで良いと思います。
第16回 『バリューライン』の基本的な引き方
あらためて『バリューライン』とは、株価の「安値と安値同士」もしくは「高値と高値同士」を結んだ平行なラインが"引けそうなところ"に引き、そして2本のラインの真ん中にもう1本の計3本のラインを引いたものです。
第17回 株価が「バリュー」の中で動く仕組み
株価が「どうしてバリューラインの帯の中で動くのか」についてマスターするためには、株価チャートとは「そもそも何か」について知っておく必要があります。
第18回 『バリューライン』の実践的活用法 ≪A≫
前回の「(1)チャートの"背景"にある意味とは?」に引き続き、今回は「(2)『バリューライン』の理論が分かれば、どのように実戦で活かせば良いか?」についてレポートしますが、その前に『バリューライン』の基本構造について再確認したいと思います。
第19回 実際に売買した銘柄で『バリューライン』を検証(前編)
前回は、『バリューライン』を使った実践的な活用法の≪A≫の解説が終わりましたので、今回は実践的な活用法の≪B≫について実際に私が過去に売買した銘柄を使って「割安なタイミングをどのようにして判断したのか?」を図解中心に解説します。
第20回 実際に売買した銘柄で『バリューライン』を検証(後編)
前回は、『バリューライン』を使った割安タイミングの判断方法について解説しましたが途中で終わりましたので、引き続き私が実際に売買した銘柄のチャートを使って詳しく解説したいと思います。
第21回 自分に合った『バリューライン』を選ぶ方法とは
今回は同じチャートであっても『バリューラインはいくつも引ける』ということと、いくつも引いたバリューラインの中で『どれを基準に判断すれば良いか?』について解説します。
第22回 上昇率・下落率で転換点を予測する(リスク重視編)
株式投資で「最安値で買う(最高値で売る)」ことは実質的には不可能ですが、それでもできるだけ「割安なタイミングで買う(割高なタイミングで売る)」ことができれば、効率的な株式投資を行うことができます。
第23回 上昇率・下落率で転換点を予測する(積極投資編)
前回の「(1)リスク重視編」に対して今回は「(2)積極投資編」となります。言い換えますと、前回は初級編に対して今回は中上級編となりますので、リスクが取れる投資家限定の転換点予測=投資タイミング予測となります。
第24回 抵抗ラインと一緒に株価の転換点を予測する(前編)
これまで解説してきた「株価の転換点」とは、別の言葉で言い換えますと「株価が下がっているときの転換点=下値抵抗ライン」で「株価が上がっているときの転換=上値抵抗ライン」ということになります。
第25回 抵抗ラインと一緒に株価の転換点を予測する(中編)
今回で≪E:さまざまな抵抗ラインと一緒にチェックして、株価の転換点を予測する≫の後編を一気にレポートする予定でしたが、思った以上にボリュームが増えましたので2回に分けてレポートします…今回は中編です。
第26回 抵抗ラインと一緒に株価の転換点を予測する(後編)
今回で≪E:さまざまな抵抗ラインと一緒にチェックして、株価の転換点を予測する≫の最終回にしたいので、いつもよりやや長くなります。ただし、チャートの実例を中心にしていますので、一気に読んで頂けると思います。
第27回 『バリューライン』の復習(総集編 その一)
『バリューライン』とは、ある程度の時間が経過して初めて"この辺りのラインが引けそう"ということが分かりますので、途中でトレンドが転換したかどうかの判断ができるのは"トレンドが転換した後になってからではないか?"という人がいます。
第28回 『バリューライン』の復習(総集編 その二)
『バリューライン』の原点に立ち戻った総集編として、トレンドが転換するタイミングの見方について続きを解説します。今回は、前回尻切れトンボで終わりました「日経平均」をケーススタディにして解説します。
第29回 早く売り過ぎず・売りそびれずに「確実」に売る方法
「株式投資で知っておいた方が良いこと」ですが、早いもので今回で28回目となりました。しかしこれまでに解説した「項目は?」と言えば、『波動ライン』と『バリューライン』のたった2つだけです。
第30回 新シリーズ「銘柄探し編」に入る前に
一般的に、株式投資は「探す」「買う」「売る」の流れで進むと言われていますが、実はこの「探す」前に一番大事なステップがあります。 それは「探す前に今が買っても良いタイミングかどうか=割安タイミングかどうかをチェックする」ということです。
第31回 売ったときに「利益」が出ない銘柄には価値がない
買った銘柄が上昇するのか下落するのかは、"将来のこと"ですから誰にも分かりません。しかし分からないからといって、何のシナリオや根拠もなく「当てよう」とするのは博打と同じになってしまいます。
第32回 「上がっている銘柄」VS「下がっている銘柄」
前回は、『買っても良い銘柄』の一番目の条件の「過去に大きく上昇している銘柄」について解説しました。しかし「過去に大きく上昇している銘柄」であれば何でも良いか?というと、そうではありません。
第33回 「下がっている銘柄」であれば何でも良いのか?
これまで2回にわたって解説した『買っても良い銘柄』の条件を再確認しますと、「過去に大きく上昇した銘柄が、今、現在は下がっている状態になっている」ということになりますが、では株価が下がっている銘柄なら何でも良いか?というと、そうではありません。
第34回 グッドイシューが考える『買っても良い銘柄』とは(前編)
株式投資にはさまざまな手法がありますが、大別しますと株価が上がっている銘柄に投資する「順張り」と、株価が下がっている銘柄に投資する「逆張り」に分かれます。それぞれに一長一短はありますが、ただ一つはっきりと言えることは「株式投資は下がっているとき(=タイミングや銘柄)に買って、上がれば売る」ということが基本にある、ということです。
第35回 グッドイシューが考える『買っても良い銘柄』とは(後編)
『買っても良い銘柄』とは、グッドイシューでは『株式投資を財産構築の手段にするなら割安株だけ』と考えています。しかし、この『割安株』という言葉は世の中に氾濫していますので、会員の方でも正しく認識していない人もいらっしゃると思います。

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