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第19回 勝者が知るべき経済要因と政治要因

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景気と政治を専門に勉強する経済学や政治学であれば難しいのは当たり前なのですが、ここでは『個人投資家にとって、投資戦術を考える時に景気と政治をどう使えば良いのか』だけに限定して御説明します。

それ以上の知識は株式投資には不必要であり、知っても混乱するだけでメリットはあまりありませんので、『投資家にとっての景気や政治とは』と考えて下さい。

景気について知っていた方が良いこと

(1)金利
本来一番大きな問題は金利(公定歩合とコールレート)なのですが、この金利が大きな影響を与えるには『金融政策が景気に影響を与える環境』があってのことです。
2006年当時もまた現在でも日銀が低金利政策を採っていますので無視された存在となっています、基本的には景気が回復するにつれて利上げ観測が出てきて、そのような環境になれば株式市場において金利が徐々に影響を与えるような環境になります。

(2)為替
為替は円高になれば輸出大国日本のアキレス腱となって景気を悪化させ、円安になれば神風となって日本の景気を上に向かせますから、投資家にとっても重要なチェック項目となります。
しかし円高が、日本の景気に大きなマイナスの影響を与える存在であり続けるかどうかは大きな問題です。

1990年代後半の米国が好景気となった一つの原因にドル高があります。
米国ではドルが足りなくなれば印刷するだけですから、日本とは違うかもしれませんが、海外から米国に大量の資金が流入して米国の景気が活況となったという事実はあります。

日本でも同じ効果を期待できるかどうかは、円高のスピードと海外資金の流入の規模とスピードにもよります。
このため、実際に動きだしてみなければわかりませんが、世界の投資資金と事業資金が大きく動いた時に『円高がメリット』になる可能性は否定できないのではないかと考えています。
いずれにしても、現時点では為替政策は大きな材料となっていますので、為替がどう動くのかは要チェック項目です。

個人投資家が為替の動きを予測することは難しいのですが、為替の長期の方向性を決定しているのは米国ですので、米国の為替政策を見続ければある程度の予測は付くと思います。

為替政策の方向性が分かったとして、投資家がこの材料をどう使うかが分からなければ絵に描いた餅となりますので、基本的な為替動向の投資戦略への転換方法について申し上げます。

円高の影響が大きい株価指数は、【日経平均】→【TOPIX】→【ジャスダック指数】の順番です。また、テーマでは輸出ハイテク株や国際優良株となります。

ですから、円高になると思ったら、これらの株価指数や円高デメリット株は買わない、割高と思えば売れば良いとことになります。

(3)原油
景気以外では、金利と為替と原油が株式市場に影響を与える三本柱となりますが、昔と違ってこの三本柱のなかで原油価格の影響力が大きく減少しています。
代替エネルギーが出てきたことが最大の理由だと思いますが、以前ほどは原油価格の動向には神経質にならなくても良いというのが21世紀の見方ではないかと思います。

(4)経済指標
経済指標では、貿易収支、経常収支、消費者物価指数、景気動向指数、鉱工業生産指数、機械受注、住宅着工件数、マネーサプライ、そしてGDPをチェックできれば十分ではないかと思います。

注意すべきは、株式市場は景気の6ケ月〜1年先行することです。したがって、注目することは『指数の推移』と『6ケ月〜1年先』の景気の動向であり、その動きを投資家がどう感じているかです。そして、最後に『その経済指標の影響は、株価に既に織り込まれているのか、まだ織り込まれていないのか』ということです。

政治が株式市場に与える影響

「政局や政策から投資戦略を考えることができる投資家」と「何も気が付かずに投資している投資家」の違いは、「知っていれば損をしないこと」を知ってリスクを避けられることです。
株式投資で一番いけないことは、『避けられる損失を避ける努力を怠って損をする』ことです。

今回のレポートも『避けられる損失を避けること』と『知っていれば儲けられる事』を知り、さらに『確実に儲けるために必要なこと』を知っていただくことを目的にしています。

ここで大切なことは『政治家は常に正しい選択をする』わけではないということです。
米国にもロビイストという企業の代弁者が政治家と折衝していますし、選挙がありますのでこの動きは止められないと考えなければなりません。
つまり、政治を考える時に最初に知っていなければならないことは『政治は、企業と政治家の利益を優先して決定される可能性がある』ことです。

次に知るべきことは、『政治は経済に優先する』ことです。政治家の政治生命や権力は一度失いますと回復することは非常に難しいと言えます。
これに対して経済には波動がありますので『政治が動かない』場合は、国民や企業の苦しむ時間が長くなるだけで、いつかは景気は回復するものです。

したがって、景気が悪くなったときに『政治家が優先するのは経済ではなく、自分の勢力拡大や権利の拡大』であり、この準備が終わらなければ『政治は経済のために動かない』と言う事ができます。

最後に政治を裏で動かしているのは、データを持っている官僚であるということです。
また、官僚は、既得権益が増えれば増えるほど自分や将来の後輩の天下り先が増加しますし、予算にしても、『一度獲得した予算枠を実態に合わせて縮小しても、次に再び予算枠を拡大できるとは限らない』ため、『何が何でも予算枠は死守する』という観点から、政治家にアドバイスしたり、法律が必要ないことは勝手に処理します。

高速道路の料金所で止まらなくてもよいシステム「ETC」についても、海外では入会時に1000円前後、毎月のリース料が数百円でできるものを5万円程度で発売するなど、官僚主導で『理由は分かりません』が、わざわざ国民の負担が増える方向に『途中から転換』しています。

つまり、政治が株式市場に与える影響を考えるときには『正義』とか『常識』を基準に考えるのではなく、その問題に絡んでいる人達の『権益』を基準にした方が分かるということを前提にして、政治の動きを読んで投資戦略を考えた方が良いと思います。

【ポイント】
■為替相場動向で円高がメリットになる銘柄群、円安がメリットになる銘柄群を把握しておく。
■政治は経済に優先するので、政局の動きを把握することも重要。

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