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第18回 派生商品が与える影響度

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今日のテーマは『派生商品』です。派生商品とはデリバティブ・プロダクツとも言われ、「本来の目的」と「派生目的」の2つがあり、このうち後者が株式市場の混乱要因となっています。また、派生商品が株式市場に影響を与えるものに『株』『金利』『為替』があります。

派生があるということは『元の商品(原資産)がある』ということですが、例えば、日経平均は東証一部の225銘柄の調整平均値ですから原資産となりますが、この日経平均の動きを売買する『日経225先物取引』や『日経平均225オプション取引』は派生商品となります。

この派生商品取引が株式市場に影響を与え、原資産に派生商品を組み合わせた『仕組み債』『リンク債』が更に株式市場に影響を与えています。

派生商品が株式市場に与える影響とは

例えば2004年から原油価格が大きく高騰しています。
これは『まさに派生商品がもたらした暴騰』と言えます。ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されているWTI原油の実際の生産量に比べて、WTI原油先物取引における取引量は実際の生産量を遥かに超える取引量となっています。
これが派生商品(デリバティブ)の怖さではないかと思います。

このような規模に膨らむ理由は、現物の取引は取引額の現金が必要ですが、派生商品は取引額の一部を担保として証拠金を納めるだけでよいので、小額の資金で大きな取引ができます。しかも手持ちの債券や株式でも代用できますので、現金がなくても取引できます。

もっと悪いことは『株式のオプションや先物取引』の影響です。これは1990年代から流行しはじめました。

例えば『現在の日経平均価格よりも少し上の価格以上に日経平均が上昇しなければ勝ち、現在の日経平均価格よりも少し下の価格を下回らなければ勝ち』という取引を行なった後、日経平均が設定した上限株価以上に上昇しそうになると、先物などを売って日経平均の上昇を止め、日経平均が設定した下限株価以下まで下落しそうになると日経先物で買い支えて日経平均の下落を止めるという動きが出ました。

本来であればもっと上下どちらかに動いたであろう日経平均が、このデリバティブ取引によって一定の範囲内に納められたわけです。
証拠があれば法律違反ですが、証拠がないので『予想や思惑が交錯』してより複雑になってしまっています。

また、日経225オプション取引でも以前に、ある外資系証券がシンガポールのSIMEX市場で、大量に『現在の日経平均よりも権利行使価格が上のコールオプション』を買い、オプションの最終売買日に日経先物を使って強引に日経平均を上昇させた(手口からの想像)ことがありましたが、これも派生商品が株式市場に影響を与えた事例の一つだと思います。

個人投資家には派生商品の動きが分らない

しかし、個人投資家には『このような情報は入ってきません』ので、裏側で何が行なわれているかはほとんど分かりません。
このため、このようなレポートを読んでも『何もできない』ので意味がないと思う方もいらっしゃると思います。

では、なぜこのようなレポートを書いているのかと言いますと、1つは『派生商品が株式市場に影響を与えている事実』を知っているのと、知らないで投資するのではリスクが違うからです。確かに裏情報としては入ってきませんが、最近は専門的なことまでマスコミが報道します。

これを『何か分からないことを言っている』と思って見逃す投資家と、その意味を知って『派生商品の動きを利用できる投資家』さらに『派生商品の影響を考えなくてもよい方法を取れる投資家』では、投資成果は大きく違ってきます。ですから、自分が何をすれば良いのかを知るためにも派生商品の基本については知っていた方が良いと考えてレポートしました。

では、具体的にすることは何か、と言いますと、

1.「一定のレンジで日経平均を推移させようする取引が行なわれている」というニュースを見たときは、日経平均採用銘柄は『往来相場』となります。
この動きを利用するために、一番はっきりとした往来相場となっている銘柄を探し、日経平均が上限に達したら『その銘柄を空売りして儲け、下限にきたら買って儲ければ良い』ことになります。

2.「派生商品が株式市場を混乱させる可能性がある」というニュースを見たときは、派生商品の影響を受ける日経平均採用銘柄を投資対象外にして、日経平均採用銘柄以外の銘柄で投資するか、それとも一旦休止して相場が落ちついたら再び投資を再開するか、というように、色々な選択ができます。
しかし、知らなければ『おかしい、おかしい』と思いながら投資することになり、気が付いたら大きく負けてしまっているかもしれません。

株式投資で勝ち続けるために必要なことは『できるだけ負けるリスクを減少させる』ことですが、その考え方にのっとって『知っていれば負けなかったこと』や『知っていれば勝てること』をできるだけ増やすことです。

そして、その方法のひとつが株式市場に影響を与える派生商品を有効に利用することです。ですので、今回は敢えて個人投資家が敬遠しそうな派生商品のレポートを書きました。
言葉にアレルギーを持たなければ『読んだ分の価値はある』と考えて、さっと読んでいただき、面白かったら読み直す程度の軽い気持ちで宜しいと思います。

【ポイント】
■派生商品と呼ばれる『先物』などの市場の動きも、株式市場に影響を与える場合があります。
■派生商品とは何かを知ることで、投資判断の幅が広がってきます。

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