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勝者への道

第14回 3つのバリューを把握するのが勝者

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『パイの原理』に続き、『3つのバリュー』の説明になります。
株価を把握する際に、『割高株価』・『適正株価』・『割安株価』をいかに把握するかが株価の売買タイミングを掴むために必要不可欠です。
今回はこれらの3つの株価水準を、どのように把握したらいいかを説明します。

3つのバリューをって一体何なの?

バリューは一般的に、その株価の相対的な価値を示す言葉で、尺度として『割安・割高』や『オーバーバリュー、フェアバリュー、アンダーバリュー』と言われています。
株式投資はバリューを前提に投資するものですが、このバリューには『ファンダメンタルズ』のバリューと『テクニカル』のバリューがあります。また、バリューのレベルは無数にあります。言い換えると、リスクの取り方によってバリューのレベルが変わってきます。

そのような学問的なことを知っても何にもならないと思われる方もいますが、株式投資で勝つ確率をアップさせるためには、この『ファンダメンタルズ』と『テクニカル』のバリューについて『明確な自分の投資スタイルを決定』することが大前提になります。

この2つについて、自分なりの考え方を決めておかなければ『株式投資を財産構築の手段』にすることは難しいのです。
つまり、運がいい時は勝ち、運が悪いときは負ける株式投資になる可能性が高くなってしまいます。

ファンダメンタルズとテクニカルのバリューとは?

この問題はそれ程複雑ではありません。企業業績と株価を比べて、将来の企業業績予想に対して株価が高ければオーバーバリュー(割高)と考え、株価が低ければアンダーバリュー(割安)と考えます。

問題は、「ファンダメンタルズのバリュー」と「テクニカルのバリュー」のどちらが重要かということです。その答えはどちらも重要となります。
しかし、それでは意味がありませんので、もう少し詳しく書きますと『ファンダメンタルズとテクニカルのバリューの両方を兼ね備えたテクニカル分析』が最良ではないかと考えられます。

ケンミレでは、弊社のテクニカル分析を(「テクニカル分析ではない」と一部で言われているのですが)、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を合わせた『テクノメンタルズ分析』と言っています。

これは『ケンミレの投資手法の前提はチャート』だからです。
チャートを使った分析は「テクニカル分析」となりますが、その「テクニカル分析」のみでは、株式投資で勝ち続けることは難しいのが現実です。

実際に、11年の研究の結果として「テクニカル分析」のみでは株式投資で勝ち続けることはできないと、断言している大学教授もいます。
このため、ケンミレではファンダメンタルズ分析を合わせて、『テクノメンタルズ分析』と呼んでいるのです。

ファンダメンタルズ分析による投資の代表は、『アナリストレポート』による企業の将来の成長性と現在の価格を比べて、「割安ならば買い、割高ならば売る」という方法です。しかし、この方法には欠点があります。それは、一部のアナリストの分析を信じて投資することです。これでは、そのアナリストが間違えば終わりになります。

株価はどうして動いているのかと言いますと、それは『色々なアナリストレポートを見た投資家の行動の結果』や『投資家の人気(好み)の結果』であり、色々な『テクニカル分析の結果』となります。

つまり、それぞれの投資家が上記の3つのことを考えて出した結論に基づいて、投資家が買ったり売ったりすることで『株価が上昇したり、下落したり』する訳です。言い換えると『株価の動きはファンダメンタルズ分析とテクニカル分析と投資家心理が合わさってできる』ことになります。

したがって、株式投資で勝つ確率をアップする方法は、テクニカル分析だけで行なうのではなく、ファンダメンタルズ分析だけで行なうのでもなく、もちろん好みでもなく、この三者を合体させて行なうもの(テクノメンタルズ分析)でなければなりません。

株価のバリューとは何か?

上で述べたように、バリューとは価値のことで、株式投資で言う価値とは『割高か割安か』になります。

多くの方は『割安と割高』をひとつの意味にしかとっていないと思いますが、実はこの『割高と割安』には「レベル」があります。
というのは、1つの銘柄に対して『無数の割高があり、無数の割安がある』のです。

言い方を変えると、何年ぶりの安値というのと、何ケ月ぶりの安値、何週間ぶりの安値、今日の安値など、一口に安値といってもたくさんあり、同じ安値でもこれらの安値のレベルは全く違います。
非常に安いとか、安いとか、ちょっと安いという言い方が一般的な言い方ですが、このようなあいまいな言い方では投資の初心者は全く分かりません。

つまり、投資の初心者でも分かるバリューが必要になりますが、そのためにはバリューにスコアを付ければ簡単です。単純なスコアを付けることは簡単ですが、当たる確率の高いスコアを付けるとなりますと、複雑過ぎて自動的にスコアを付けられません。

となりますと、スコアに変わる何かが必要になります。しかし、その前にどうして株価が割高になったり、割安になったりするのかを知る必要があります。

株価はアンダーバリューからフェアバリューになり、続いてオーバーバリューになって上昇が止まり、下落に転じてフェアバリューになり、再びアンダーバリューになるというサイクルで動いています。

図1

しかし、本来はフェアバリューで推移し続けるものであり、企業の業績がよくなればフェアバリューの水準が変わることで株価が上昇するというのが理想的です。ところが、実際の株価は常に上昇と下降を繰り返しています。

上昇と下降を繰り返して、フェアバリューで止まらない理由は『投資家の欲』があるからです。つまり、目先の株価の動きは『企業業績ではなく、人間の欲によって動いている』ことになります。

この動きを人間の欲から見ると

(1)割安になって『今買えば儲かる』と思う投資家が買い、フェアバリューに向けて株価が上昇し始める。

(2)株価が動いたので短期で儲かると考える投資家が買い、株価がフェアバリューまで上昇する。

ここで、本来は株価が止まってもよいのですが、

(3)株価が上昇したことで『早く買わなければもっと上昇して儲け損なってしまう』と考える投資家が慌てて買うことで、株価はフェアバリューを突破して上昇する。

という動きになります。

図2

そして、この動きが続けられる間は株価が上昇し続けますが、どこかで『パイの原理』により、買いたい投資家が全て買い終わる瞬間がきます。
そうなりますと、更にその上の株価で買う投資家がいませんので、資金の流入が止まり、株価の上昇も止まります。

さらには、株価の上昇が止まると『買って少し上昇したら売ろう』と考えて買った投資家が『見切り売り』を出して、株価は下落し始めます。

こうなりますと、「儲かっている間に売って利益を確定しよう」という投資家が売り方になりますので、株価はフェアバリューに向かって下落し続けることになります。

そして、本来はフェアバリューまで下落して株価の下落が止まるはずなのですが、ここまで下落しますと『早く売らないと、もっと損をするかもしれない』と考えた投資家が慌てて売りますので、株価が更に下落してアンダーバリューになります。

アンダーバリューになれば株価は上昇してもよいのですが、そろそろ底と思って買いたいと思う投資家が『売りたい投資家よりも多くなる』まで株価は下落し続けます。

そして、もう下がらないと考える投資家が多くなって株価の下落が止まり、割安と思って買う投資家が増加して、再び株価はフェアバリューに向かって上昇するという動きが繰り返されます。

リスクの度合いによって割安の取り方は変わる

株価の動きを見ますと、小さな上昇(短期上昇)があり、この短期上昇が幾つか集まって少し大きな上昇(中期上昇)になり、この中期上昇が幾つか集まって大きな上昇(長期上昇)になっていることが分かると思います。

ケンミレでは短期上昇とは上昇の回数が年間で10〜12回起こる上昇と考え、中期上昇は年間で2〜4回起こる上昇、長期上昇とは2、3年間で1〜1.5回起こる上昇と定義しています。
そして、この定義に基づいて開発したのが『波動ライン』です。

図3

この波動ラインを見ると、短期波動(年間で10〜12回の買い場)の上昇のあとの調整を買う方法が一番買い回数が多く、リスクが高い方法となりますので、この方法を『中上級者向けの投資タイミング(=割安のレベルが一番低い)』と考えています。

これに対して中期波動の上昇の後の調整であれば、年間の買い回数が2〜4回前後となり、また大きな調整が起こらなければ出現しませんので、その分だけリスクも小さくなります。つまり『初級者向けの投資タイミング(=割安のレベルが一番高い)』と考えられます

このように『出現する回数が多い場合の割安』と『出現する回数が少ない場合の割安』では、同じ割安でも『割安のレベルは全く違い』ます。

投資家は、自分の投資レベルと投資に使える時間から、どの割安度のレベルになった時に投資するかを決定すれば、株式投資を平常心で行なうことができますし、勝率も利益率もアップできると考えられます。

実際に投資した時には『年間で3回前後の買い場が来る』タイミングを割安と考えて投資していました。
そして、それでも年間で77%の利回りを獲得できましたので、株式投資の目的が財産構築であれば『初心者用の年間2〜4回程度の中期売買タイミングを「割安」と認識する投資戦術』がベストではないかと考えられます。

但し、買い場は年間で2〜4回ですが、一回の投資タイミングで幾つかの銘柄を順番に買えば、年間の売買回数は2〜4回ではなく、20〜40回程度まで増やすことができます。

いずれにしても、「パイの原理」と「3つのバリュー」は株式投資の基礎中の基礎であり、また上級者も重要視する項目となっていますので、これらに関してはマスターしましょう。

マスターするとは『自然にできるまで訓練する』ことです。

株式市場は逃げませんので、『急がば回れ』という諺もありますように、株式投資にある程度の自信がつくまではシミュレーションで行ない、自信がついたら実践する流れが一番いいと思います。

【ポイント】
■3つのバリュー、「オーバーバリュー」、「フェアバリュー」、「アンダーバリュー」をチェックすることで売買タイミングが分かる。
■リスクの取り方によって割安のレベルが変わる。(初心者用の「年間2〜4回程度の中期波動の売買タイミング」がベスト)