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第8回 自己責任投資出来ない投資家は敗者!

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よくマネー雑誌などで「自己責任で投資をする時代がきた」といった表現が聞かれていますが、いったい自己責任投資とは何なのでしょうか?今回はその本質に迫りたいと思います。

他人に頼り、失敗した時には他人の責任にする投資家からの脱却

米国など先進国ではキャピタルゲイン狙いの投資が自己責任であるということは当然のことですが、日本では株式投資の生まれ育った環境が全く違うことで、自己責任という意味を本当に自覚している投資家はまだまだ少ないと言えます。

1996年ごろに企業年金が崩壊し始めた時、米国の年金制度401Kが注目されだしたことでようやく自己責任という言葉が日本でもマスコミに出始めました。これが、つい15年ほど前の話です。

日本でも最近では投資教育を行う学校も出てきましたが、投資教育に対する歴史が無いことで、教育のレベルはまだまだという状況にあります。

それでは、先進国の米国においていつから投資教育が熱心になったのかと言いますと、1984年ごろから国民の株式投資に対する興味が高まっていますので、このころから徐々に投資教育が普及していったと思われます。

この時期に何が起こったのかと言いますと、1970年代の不況によって企業年金制度が崩壊し、401Kという自己責任による運用という新しい年金制度が1982年に誕生しました。

米国株式市場が1982年に底を打って上昇に転じたことで、獲得利益がすべて自分のものになる401Kプランが急速に注目を集めだし、1984年には本屋さんの店頭に株式投資の本が並び、その本が飛ぶ様に売れ出したと言われています。

従来の確定給付型年金制度では株式市場の上昇によるリターンはすべて企業が得ていましたが、401Kという新しい年金制度ではリターンがすべて自分のものになりますので、一気に確定給付年金から確定拠出年金である401Kへの移行が始まり、米国民が自己責任の名の下に自分で勉強を始めたわけです。

欧米は狩猟民族であり、獲物を取らなければ餓死するという文化で育ちましたので『自己責任』という概念は国民性に存在しておりましたから、この自己責任投資に対しても自然に移行することが出来たのではないかと思います。

しかし、日本人の文化は農耕民族、すなわち待っていれば穀物が実って食べられるという文化で育ちましたし、何より和を尊重する「村社会」という弱者を救済出来る文化で育ったという国民性がありますので、この国民性の違いからも『自己責任』というシステムは受け入れにくいシステムであると言えます。

加えて資本主義社会であるにも拘らず、日本人は株式投資を「悪」と見る文化の中で育ちましたので、株式投資教育という教育そのもの自体が存在しておりませんでした。

アメリカから遅れること約10年、日本でも1995年頃に企業年金が事実上崩壊し、そこから日本版401Kの導入という流れが出来ました。

つまり、ここで初めて「自己責任投資」という言葉に触れた日本人がほとんどではないかと思います。何故ならば、日本では企業も個人も国が守るという社会主義のシステムが確立されておりましたので、この「自己責任投資」という言葉は日本人にとってはカルチャーショックであったと思います。

そして401Kがスタートしたわけですが、この日本版401Kは運用の責任を企業と個人の両方で負担するというシステムになっており、まさに日本文化(村社会文化)にピッタリの年金制度となっています。

このように年金制度も結局は、個人の自己責任から個人と企業の両方が責任を負うという制度に変わってしまったように、日本では「自己責任」という言葉はなかなか育たない制度であることを再確認する結果となりました。

その中で株式投資についてだけは『自己責任を追及する』という流れが変らないことになりました。そしてそれを前提として現在のネットトレードの普及があります。 従って、株式投資だけは自己責任投資になるということを投資家は自覚しなければならいということになります。

日本は米国と比べて、金融工学、株式投資教育、株式投資環境の面で20年遅れているとよく言われますが、原因は両国民の文化の違いを始めとしてこのようなところにあるのです。

日本も株式市場が本格上昇となれば、多くの人が401kを選択するようになります。その時に再び自己責任という言葉が脚光を浴びると思いますが、他人に先行するほどアドバンテージがあるので、社会が注目する前に自己責任投資の意味を理解し、実行できれば『株式投資の勝者になれると同時に年金分野でも勝者になれる』のではないかと思います。

自己責任投資とは何か?

シニア世代のほとんどの日本人投資家はこれまでであれば、儲かったという話を聞いて『証券会社の営業マンや友人、先輩に言われて株式投資を始める』という方がほとんどかと思います。

インターネットが普及してITバブルの時などは、日経平均の大幅上昇をメディアで積極的に報道していたこともあり株式投資がより身近になって、口座開設の申し込みから、指値、決済までインターネットだけで取引を完結できるようになりました。

それもあってか、何も勉強をしないですぐに株を買うという始め方になり、買い方も「掲示板で上がると書いてあった」、「友人が儲かったという有名企業を買う」という始め方になっていると思います。

つまり、最初から自己責任投資をしないという始め方をしていることになります。
他人の言う通りに買ったときに『失敗しても他人は責任を取りません』ので、本来は『他人のアドバイスを自分で判断して投資した段階で自己責任投資』となるのですが、このような投資をする人の多くは、失敗したときに『他人の責任』にし、成功した時には『自分の成果』にして、その日暮らしのような投資方法を採ってしまいます。 また、見つけた情報ソースの責任にし、「次こそは儲かる銘柄を」とインターネットで情報を血眼で検索する投資家も多いと思います。

ここにあるのは『情報が儲けさせてくれる』という心であり、儲けるためには努力が必要という心構えではなく、簡単に儲かって欲しいという『楽して儲けたい』という気持ちしかありません。

しかし、失敗したのは『買い方が悪かったこと』と『失敗したのにロスカットが出来なかったこと』という自分の責任であり、自分で決断して損失を出すことによって『このような投資はしたくない』と認識して頂き、しない為には勉強して実力を付ける以外にないと思って頂かないと進歩がありません。

しかし、往々にして現実の結果は逆で、ほとんどの投資家は負けた意味さえ知らずに株式投資で財産を失っています。その理由は自己責任の意味を知らないからだと言えます。自己責任とは非常に重要な言葉で、この裏にあるのは『自分のレベルをアップする』ことです。そして、レベルをアップしたあとに『自分の力で株式投資に勝つための武器を使って勝つ』ことです。

自己責任投資とは損益の結果を他人に押しつけず、自分だけで受け止めることで『自分の欠点や間違いは把握して次の投資に役立て、結果として株式投資を財産構築の手段にまで高める』ことだと思っています。

最終的に『自分の財産を守るのは自分しかない。他人は他人でしか無い』ということを認識頂くことが大切であり、財産構築の手段として株式投資が出来る様になって頂きたいためにここで厳しいことを言っています。

なにも武器を持たずに株式投資をしている方も多いと思いますが、プロの投資家が武器を持っているのに素人で時間もあまりなく、技術力も低い個人投資家が武器を持たずに株式投資をすれば勝てないのは当然と言えます。

自己の投資レベルのアップと投資に勝つための武器の両方がなければ株式投資で勝ち続けることは難しいと言えますが、この2つを自覚することが実は自己責任投資の最初の一歩になります。

【ポイント】
■「他人の責任」にして投資をおこなっている限り、自分の投資の技術を進化させることは出来ない。
■「自己責任」は結果を自分で受け入れて失敗を反省して生かして次の投資に活かすことに意義がある。

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