第18回 売買タイミングをつかもう(5) −サイコロジカルライン、ポイント&フィギュアの使い方 −
今回は、投資家の心理を数値化し、売買のタイミングに役立てようという考えから生まれた「サイコロジカルライン」と、株価の値動きのみを基準とした「ポイント&フィギュア」チャートについて見ていきましょう。
「サイコロジカルライン」ってなに?
サイコロジカルラインの「サイコロジカル」とは「心理的な」という意味です。その名の通り、投資家心理を数値化しているのがこのテクニカル指標です。
たとえば、コインの表裏を予想するゲームで10回連続して表が出た場合、次のゲームでどちらにかけたら有利でしょうか?
この場合、確率は常に1/2ですからどちらにかけても確率的には変わりません。しかし、ゲームに参加している人の心理を考えると、次のゲームで「もうそろそろ裏が出てもいい頃」という心理に傾く可能性が高くなると思われます。
株価の変動には、企業業績や、政治、経済、海外動向など、さまざまな要因がありますが、単純に「○○になったら△△になる」というものではなく、投資家がいろいろな情報を総合的に考えた結果と、そのときの投資家の心理が株価の変動に大きな影響を与えることとなります。
コインの裏表を予想するゲームと同じようなことが株式市場で起こったらどうでしょうか?
10日連続して上昇したあと、「もうそろそろ下がるだろう」と思う投資家が多くなれば、株式市場では売りが先行したり、買いが続かなくなったりして株価が下落する可能性が高まります。
つまり、この投資家の心理を数値化したテクニカル指標が「サイコロジカルライン」となります。
サイコロジカルラインの計算方法は非常に簡単です。上昇や下落の変動率は関係なく、『計算期間(一般に過去12営業日で計算されます)の中で上昇した日数が何%となっているか』ということで算出されます。
そして、一般的には勝率が25%以下になると割安、75%以上になると割高と言われています。
「サイコロジカルライン」をどう使うか?
サイコロジカルラインは「もうそろそろ上がる(下がる)だろう」といった投資家の心理で売買のタイミングを計る指標です。したがって、目先的に上昇や下落が続いて、株価が反転するタイミングを計ることに有効です。
サイコロジカルラインを使う上で重要なのは、「目先的な」という点です。この指標の考え方が、「もうそろそろ上がる(下がる)だろう」という投資家心理に基づいているからです。
株価は上がったり、下がったりしています、「上昇や下落は、永遠に続くものではない」という考えの元、目先的な反発を狙うのに使うことができます。
>>計算方法について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください

上のチャートのように完全に右肩下がりで、連続して下落し続けている銘柄でも、サイコロジカルラインが大きく下落すると一旦は株価は上昇に転じています。
つまり、過去の経験則から連続して下落するにも限界があると考えられるわけです。 しかし、目先的な反発をしたあとに上昇トレンドが続いていくとは限らず、このチャートのように目先的な反発のあとに再び下落トレンドが続いていくこともあります。
また、サイコロジカルラインでは一般的に、「75%以上が過熱ゾーン」、「25%以下が割安ゾーン」と言われています。しかし、銘柄によって成長力や注目度が異なるため、株価が上昇から下落、下落から上昇へと反転するタイミングも銘柄ごとに違ってきます。
このため、株価の山谷と、サイコロジカルラインの山谷が合うように、サイコロジカルラインの計算日数を変える合わせることで、テクニカル指標の精度が上がります。

上のチャートは、完全な右肩上がりのトレンドとなっています。この銘柄で一般的な割安ゾーンである25%以下を参考にしていては、買いタイミングはいつまでたってもやってきません。
しかし、50%割れの水準では絶好の買いタイミングとなっています。つまり、投資家に人気の高い(上昇するときの上昇率が大きい)企業の株価が下落した時は、「大きく下がらずに再び上昇する」と考える投資家が多くなることが考えられます。このため、一般的に使われるサイコロジカルラインの数値より高くても、買いタイミングとして考えることができます。
一方で、投資家にあまり人気のない(上昇するときでも上昇率が小さい)企業の場合には、投資家がその銘柄自体にあまり関心を持たないためにサイコロジカルラインの数値は通常より低くならないと株価が反転するポイントとして判断できません。
このため、一般的な25%以下なら割安、75%以上なら割高という数値を考えながらも、銘柄ごとにサイコロジカルラインと、過去のチャートの値動きをチェックして、上昇、下落に転換したタイミングでの数値を元にして判断することで、サイコロジカルラインの精度が上がります。
※なお、サイコロジカルラインは大雑把な計算で求められる指標なので、一般的な12日営業日を使って個別銘柄の分析するには精度はあまり高くありません。どちらかというと、日経平均や、JASDAQ平均などの株価指数の動きをつかむのに有効です。
細かな動きは出てきませんので、この場合には、サイコロジカルラインが100%が0%といった特殊な環境になったときに、「そろそろトレンドが転換するのではないか?」と判断するようにします。
「ポイント&フィギュア」ってなに?どう使えばいいの?
日本で最も使われているチャートは「ローソク足」ですが、ここでご紹介する「ポイント&フィギュア」は、時間の概念を持たず“値動きのみ”に注目したチャートです。
小さな動きで株価のトレンドを知ろうとすると、ときどき「だまし」とよばれる“間違った形”ができます。だましを防ぐには小さな値動きを排除すれば良いわけで、「ポイント&フィギュア」では、、株価が一定の値段以上に動いた場合だけマークをつけることで、株価の小さな値動きにとらわれない大局的な分析をするのに向いているチャートです。
このため、株価のトレンドの流れを簡単に見ることができます。
ポイントアンドフィギュアは見るのに「慣れ」と「コツ」がいる中・上級者向けのチャートになりますが、まずはどんなチャートなのか見てみましょう。

ローソク足とは全く異なるこのチャートでは、“上昇を×”、“下落を○”であらわしています。
ローソク足のチャートでは、日足で見れば、一営業日が経過するごとに一本のローソク足がチャートの一番右側に新しく追加されていきます。しかし、ポイントアンドフィギュアでは、一日たっても、二日たっても一定以上の値動きがない限り、○も×も追加されることはありません。
ポイント&フィギュアの歴史は長く、特にシカゴ先物市場(CME)でこのポイントアンドフィギュアを用いた分析手法が、古くから使われていました。欧米のテクニカルアナリストや、機関投資家の間ではポピュラーなチャートとして使われています。
出来高や、時間軸をとならずに、純粋に値動きだけを視覚化して動きを見やすくしているため、簡易化した故の長所短所があり、賛否両論の激しいチャート表示形態の一つです。
>>計算方法について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください
「ポイント&フィギュア」で株価のトレンドを見てみよう!
まずはポイントアンドフィギュアチャートの特徴であるトレンドの見方です。
ローソク足のチャートと同じように、ポイントアンドフィギュアでもチャート上にトレンドラインを引くことで、株価の方向性を推しはかることができます。
トレンドラインの引き方にもさまざまあり、ローソク足とほぼ同じ引き方もあれば、、独特のコーエン方式とよばれる引き方もあります。
一例として、コーエン式という安値から45度右上に引いた上昇トレンドラインと、高値から45度右下に引いた独特のトレンドラインを使ってチャートを見てみましょう。

代表的な売買サインのパターン
ローソク足では、“下ヒゲ”や“上ヒゲ”などをつかって相場の転換を予測するサインがありますが、ポイントアンドフィギュアのチャートでは売買シグナルのパターンとして「前回の高値を越えてきたら買い」、「前回の安値を抜けたら売り」というのが一般的なサインとなります。
そして、しるしが同じところで止まっている列が多ければ多いほど、上や下に抜けるときの大きいことから、この価格を抜けるとトレンド転換点と判断できます。
ローソク足にもさまざまな形があるように、ポイント&フィギュアでは、○と×の組み合わせで何種類か信頼性の高いサインが知られていますので、いくつかご紹介します。

先ほどトレンドラインを引いたチャートに、前回の○、×を抜けた売買サインを組み合わせてみると、下のようになります。

上のチャートを見てみると、トレンドラインを引いた、売りゾーン、買いゾーンと、○×の売買パターンからの判断がほぼ、同じサインを示しており、うまく中・長期にわたってトレンドをとらえる事ができています。
このようにポイントアンドフィギュアは大きな動きが発生したときに、トレンドの流れに沿った売買サインが出るので、新しいサインが出るには時間がかかるものの中期で見た場合には、値幅が大きく取れるのが特徴です。
>>更に詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください
POINT
「サイコロジカルライン」は・・・
・ 投資化心理を数値化し、一定期間の“株価が上昇した日数”で計算されたテクニカル指標。
・過去の指標の動きを参考に、最適化した『銘柄にあった数値(日数)』で売買タイミングを計る。
「ポイント&フィギュア」は・・・
・ 時間の概念がなく、値動きだけに特化したチャート。
・ ポイントアンドフィギュアはトレンドを追うことに長けている。
やってみよう!
実際に、チャートを表示して「サイコロジカルライン」を見てみましょう。
1.無料チャートを表示して「設定」ボタンでサイコロジカルライン」にチェックをいれます。
2.チャート上に「サイコロジカルライン」が表示されますので、「サイコロジカルライン」の計算日数を変更して、チャートの山谷と、「サイコロジカルライン」の山谷が合う計算日数を見つけます。
※設定画面で「ポイント&フィギュア」にチェックを入れれば、今回ご紹介したポイント&フィギュアチャートを見ることもできます。


ケンミレのチャートでは、確認したい企業の「銘柄コード」(株式市場で、企業を特定するための固有の番号)か「企業名」を入力すれば、簡単に株価チャートを見ることができます。
銘柄コードがわからなくてもチャートを出せるので、知っている会社の名前を入れて、いろいろな企業のチャートを見てみましょう。

今後の掲載予定一覧
気になるタイトルがありましたら、次回掲載予定を見て、その日にご覧下さい。
| 公開日 | タイトル | |
|---|---|---|
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次回掲載予定 | |
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| 常時ご覧いただけます | 第2回 「ローソク足」ってなに? - ローソク足からわかる投資家心理 | |
| 常時ご覧いただけます | 第3回 チャートを使い分けて威力を発揮 - 「週足」「日足」チャートの使い分け | |
| 常時ご覧いただけます | 第4回 ローソク足から相場のサインを読み取ろう! | |
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10/17(金) 【予定】 |
第5回 株価と出来高の関係 |
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10/20(月) 【予定】 |
第6回 株価の上げ止まり、下げ止まりを見つけよう(1) -「抵抗ライン」とは? |
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第7回 株価の上げ止まり、下げ止まりを見つけよう(2) -価格帯別出来高- |
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10/22(水) 【予定】 |
第8回 株価の上げ止まり、下げ止まりを見つけよう(3) -「移動平均線」の使い方- |
| 9/24(水) 【終了】 |
10/23(木) 【予定】 |
第9回 株価の上げ止まり、下げ止まりを見つけよう(4) -「押し目」「戻し目」- |
| 9/25(木) 【終了】 |
10/24(金) 【予定】 |
第10回 株価の上げ止まり、下げ止まりを見つけよう(5) -「一目均衡表」の見方- |
| 9/26(金) 【終了】 |
10/27(月) 【予定】 |
第11回 株価の上げ止まり、下げ止まりを見つけよう(6)-「ケンミレ抵抗ライン」「KMライン」 |
| 9/29(月) 【終了】 |
10/28(火) 【予定】 |
第12回 知らないと“損”をする!?-高値づかみしないための「波動ライン」の活用法- |
| 9/30(火) 【終了】 |
10/29(水) 【予定】 |
第13回 銘柄ごとの値動きにあわせて精度up!勝利へ導く“テクニカル指標の最適化” |
| 10/01(水) 【終了】 |
10/30(木) 【予定】 |
第14回 売買タイミングをつかもう(1)-移動平均乖離率− |
| 10/02(木) 【終了】 |
10/31(金) 【予定】 |
第15回 売買タイミングをつかもう(2)-RSI、RCIの使い方− |
| 10/03(金) 【終了】 |
11/04(火) 【予定】 |
第16回 売買タイミングをつかもう(3)-ストキャスティクスの使い方− |
| 10/06(月) 【終了】 |
11/05(水) 【予定】 |
第17回 売買タイミングをつかもう(4)-MACD、ボリュームレシオの使い方− |
| 10/07(火) 【公開中】 |
11/06(木) 【予定】 |
第18回 売買タイミングをつかもう(5)-サイコロジカルライン、ポイント&フィギュアの使い方- |
| 10/08(水) 【公開中】 |
11/07(金) 【予定】 |
第19回 チャート活用編(1)-ゴールデンクロス・デッドクロス− |
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第20回 チャート活用編(2)−ダブル底と、三尊天井− |
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第21回 チャート活用編(3)−三角保ち合いとは?− |
| 10/14(火) 【予定】 |
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第22回 チャートの使い方実践編−株価の動きを比較してみよう!− |
| 10/15(水) 【予定】 |
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第23回 チャートの使い方実践編−ラインを引いて分析しよう!− |
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第24回 チャートの使い方実践編-信用残から何がわかる?- |
