株式市場には色々な人が居ますが、それぞれの人はそれぞれの目的で株式市場とかかわっています。
彼らの仕事は「投資信託を売ること」と「売買手数料を挙げること」です。
そして、その為に時間を多くかけているので、証券マンで「株式市場、株式投資」について知っている人は少ないと思います。
昔、世界一の投資信託銀行バンカーズトラストの欧州担当役員が「外資系の大手証券でも、優秀と言われる人は1社に一人か二人しかいない」と言っていました。この一人か二人は対面営業ではなく、一番マクロで考えるストラテジスト(戦略家)で一人か二人、という意味です。
ファイナンシャル・プランナ―(FP)の本家は米国です。
私が初めて米国のマネーマーケットの調査をしたのは1996年でした。丁度、この時にファイナンシャル・プランナ―が始まったのですが、ある大手のファイナンシャル・プランナ―と話した時、まだまだ米国ではファイナンシャル・プランナ―では食べていけないと言っていました。
その後、2006年に再び米国の市場調査をした時、カリフォルニア州のFP協会会長と話しをしました。
彼の年収は5億円でしたので、話す前は「米国のファイナンシャル・プランナ―は新しい資産の運用管理方法を発見したから5億円も取れるのだろう、早くどんな方法か聞きたい」と思って彼に会いました。
私は彼に顧客にどんなことをしているのかと聞きました。
彼は誕生日に顧客のところに行って、芝刈りや庭掃除をしたり、税金の相談に乗ったりしていると自信を持って言いました。私は「それで年収5億円取れるの?」と思いましたが、米国では年収5億円のファイナンシャル・プランナ―は沢山いると言っていました。
どうして「年収5億円取れるのか」と聞きました。
米国では現金資産500億円以上持っている個人は沢山いるそうで、彼らは例外なく専門家に資産管理を任せます。積極的な人は「ファミリーオフィス」と言って、自分でファンド・マネージャーを雇って資産運用会社を作っていますし、それ以外はファイナンシャル・プランナ―に資産運用管理を頼んでいます。そして、彼らの手数料が年間で資産の1%になりますので、年収が5億円になります。
テレビで2002年に放映された事ですが、米国の株式投資を教えている大学教授が「あと1年でリタイヤして、悠々自適の生活を送る予定だったのですが、911(同時多発テロ)による株式市場の暴落でお金がなくなったから、まだまだ働かなくてはならなくなりました」と言っていました。
つまり、投資先進国の米国の投資専門の大学教授も本当に頼ることができる投資の専門家では無かったのです。
2006年2回、2007年2回と、10年振りに2年で4回、米国市場の調査に行きました。
対象はヘッジファンド・信託銀行・FP協会の会長、ファミリーオフィスなど、投資の専門家の社長や役員などです。
ヘッジファンドに何社か会いました。大手の1社は10年前にも会った人ですが、やはりまだ成長していました。なぜ「やはり」と申し上げたのかと言いますと、彼だけは「自前で独自の研究をして、ソフトを開発していた本物」だったからです。
実はニューヨークでは毎月200社くらいのヘッジファンドが倒産しているそうですが、ヘッジファンドビルは沢山存在し、増加しています。つまり、毎月200社以上の新しいヘッジファンドが立ちあがっているということです。何故かと言いますと、ヘッジファンドに入りノウハウを覚えるとすぐ独立してしまうからです。
つまり、ヘッジファンドも一部を除いては独立したてで知識の浅いところが多く、安心できる専門家は少ないと言うことになります。
2008年に物理学会の賛助会員になり、ドクターに研究費として一人100万円を補助するというイベントをしました。ケンミレの研究は難しすぎて、一般人では無理なので、物理学会の研究者から探そうという提案が、当時のケンミレの顧問であった『東大大学院の教授と名古屋大学大学院の教授、そしてノーベル賞を取った江崎玲於奈先生』から言われたからでした。
そして、11名が当選して発足パーティーを行いました。
そこで11人のドクター達と話をしたのですが、彼らの研究内容は「私が90年代に行った初歩的な研究」だったので、その先にこういう問題があるので、研究対象をこっちに変えた方が良いと全員に言ったのですが、全員の答は「アカデミックな世界では論文枚数で出世が決まるので、森田さんがいうことは分かりますが、まずはこれで論文を発表します」というものでした。
つまり、日本のマネーマーケットの研究者のレベルは「社会に役立つものを研究しよう」ではなく、自分の出世にしか興味がないので、彼らにも期待できません。
日本にも世界にも株式投資、株式市場について深く研究し、社会に役立とうと言う専門家と呼べる人は少数しかいません。株式投資は資本主義の根幹であり、正しく使う方法を知っていればもっとも有効な財産構築の手段となります。しかし、投資家の事を考えてくれる専門家が殆ど居ないとなれば、結論は自分で株式投資に勝つ方法を探すしかないと云うことになります。
